Column

カテゴリー : 2007年レポート

「次男歩彌(ayumi)と共に年末のご挨拶」

2007.12.22

あっという間の年の瀬ですね。2007年はレポート、コラムともにこれで最後になります。ホームページをリニューアルして約2年が経ちますので、一年間におよそ10,000人の方が訪れていることになります。今年も1年、acaaのホームページをご覧頂きましてどうも有り難う御座いました。あまりやったことはないのですが、たまには一年を振り返ってみようと思いました。

続きを読む »

「藤江和子講演会」レポート

2007.12.15

日本建築家協会神奈川地域会の主催で藤江和子氏の講演会が開催されたので行ってきました。企画しているメンバーは建築家高橋晶子さん率いる事業委員会で活動している若手建築家が主で、私は別の企画を担当したので今回は参画していませんでしたが、友達が皆頑張って企画していて充実した講師陣が魅力です。

続きを読む »

「アーキテクツギャラリー『建築の公共性』展」レポート

2007.11.01

10月22日~26日の間、渋谷区神宮にある建築家会館で「建築の公共性」と題して、建築家の模型展が開催され、同時に「建築の公共性」についての10人の建築家がインタビューに答える映像が放映されました。この展示内容は6月末から7月にかけて行われた建築ウィークの巡回展的な意味も持っていましたので、準備はそれほど大変ではありませんでしたが、建築家のアトリエに1件づつ訪ねてインタビュー映像を撮影して廻った、神奈川大学室伏研究室の学生は本当に大変だったと思います。

続きを読む »

「金沢 武家屋敷」レポート

2007.10.04

先日、展覧会に出展するために金沢に行ってきました。観光する時間もあまり無かったので、会場となった21世紀美術館から歩いて15分くらいのとある武家屋敷に行きました。どちらかと言えば町屋や民家の様な、とても生活感のある建築が好きなのですが、武家屋敷はどうかな、と思いながら見てきました。中に入るとやはり豪華な襖や、立派な一枚板から成る板の間などが目を引きますが、縁側に出てみるとその屋内外の連続感や、庇と縁側により切り取られた風景の美しさが際立ちます。その水平に伸びていく空間のプロポーションとパースペクティブの良さ、屋内外をギリギリのところで隔てる際どい結界として存在する隅柱の細さ。そこにあるのは、「豪華さ」ではなく、純粋なる「美しさ」でした。また別棟にある茶室やその前室も素晴らしかったです。

続きを読む »

「“湯河原の家”撮影」レポート

2007.09.01

8月中旬、イタリアのカメラマンAlessio Guarinoと雑誌LiVESの撮影が湯河原の家でありましたので、立ち会ってきました。猛暑の最中でしたが緑に囲まれた湯河原の家はさすがに涼しく、風も抜けてとても気持ちの良い時間を過ごさせて頂きました。普通の住宅街ならどこでもある熱射の照り返しがなく、覆われた緑で冷却されている様です。よく別荘ですか?と写真を見た方に尋ねられるのですが、紛れもなく家です。私はまだ茅ヶ崎の田舎に住んでいますからさほどでもありませんが、東京などにお住まいの方にしてみれば、やはり憧れの立地、となりますね。ぎりぎり海は見えませんが、現地に立てば、まぁ海なんてどうでもいいやって気持ちになります。

続きを読む »

「Super Jury Program Summer 07」レポート

2007.08.01

先月17日、東海大学春セメスター総合講評会が開催されました。一年に2回開催される本プログラムは、各セメスター内に行われた全クラスの課題の中から、優秀作品を集めて常勤、非常勤の先生の前でプレゼンテーションを行い、それに対して先生が自由に意見を言い合う場です。毎度の事ですが、優秀作品のプレゼンテーションを行わない学生はほとんど出席していないのが実情で、その点において、優秀作品の再講評を聞く事で学生のレベルを底上げするチャンスにはなかなかなり得ていないな、という印象です。しかし中味はともかく、3年生前期にして私が学生時代の卒業設計並の密度と精度で模型制作とプレゼンテーションが行われており、早熟さをいやでも感じずにはいられません。

続きを読む »

「建築week2007 / 建築家50人の住宅展」レポート

2007.07.05

先月末、幾つかのコンクールと展覧会等の準備が重なり、かなりどたばたと過ごしていました。その内の幾つかの報告を致します。まず7月2日~7月14日までINAX銀座ショールームにて開催しております、「建築家50人の住宅展」ですが、これはプロデュース会社のザ・ハウスの主催によるものです。登録建築家50名に3つの実在する敷地が割り当てられ、その敷地に架空の住宅を自由に表現してもらうという企画です。ちなみに私が割り当てられた敷地は、渋谷区松涛2丁目、12.5坪しかない、超狭小の住宅地です。他にも旗竿状敷地、崖地などがありましたが、一番見応えがあったチームは崖地です。何しろ崖地を模型で表現するために、模型のボリュームが大きくなり、建築も崖地と融合しながらなかなか楽しく、都会の狭小敷地にはない、非日常的な空間が、とても興味深く見ていて飽きませんでした。

続きを読む »

「LSH:1上棟」レポート

2007.06.05

今年に入ってから設計を行ってきました河口湖の住宅が上棟しました。この住宅の敷地は決して恵まれているとは言えない環境で、むしろその条件が都市的な 住宅を構想させた要因かもしれません。模型写真はプロジェクトのコーナーでも紹介していますので、参照して頂ければと思いますが、幾つかの高さの異なる 居場所をシンプルな切妻型屋根で覆うプロジェクトです。広島でも同時に同様の思想で進めているプロジェクトがあり、予定通りに進めば来月には着工出来そうです。温熱環境を除けば、敷地の環境は共に似ており、それぞれ地域性とクライアントの要望から詳細の構成が決まって来ますから、似ている様で大きく違 います。結局、設計プロセスは全く別なルートを歩み、結論が共有されている様な感じ。どこまで行っても私の仕事は合理化とは縁が無い様です。

続きを読む »

「花見」レポート

2007.05.11

一ヶ月ほど前になってしまいますが、私の先生である建築家吉田研介氏の自邸で花見と称して飲み会がありました。毎度お誘い頂いて年に数回飲み会(目標は勉強会)に行くのですが、多くは吉田設計室で集まる事が多いので、自邸には久しぶりに伺いました。今回も先生の人柄が表れており、先生と吉田設計室のスタッフを含めて12名くらいのこぢんまりしたものでした。以前、夏に自邸で勉強会などやるときは学生が庭で肉を焼くのが恒例でしたので、とても多くの人で溢れかえっていましたが、先生は既に大学を退職されていますから、きっぱりと縁を切られた様です。ですから、今回の焼き肉係はスタッフです。

続きを読む »

「RSH:5上棟」レポート

2007.04.02

山梨県韮崎市で現場が進んでいる住宅が上棟しました。この住宅の模型はプロジェクトのコーナーでも紹介してありますのでご覧頂ければと思いますが、四角いコンクリートの箱に幾つかの細長い中庭をあちこちから差し込む事によって、四角い内部空間にクビレを作り出して、居場所の見え隠れを作る事を目的としています。外部から見るとほとんどコンクリートの壁しか見えないのですが、内部に入ると一日の内にいろんな方向から直射日光や、湾曲した屋根にバウンドした反射光が差し込む事が期待されています。

続きを読む »

「河口湖プロジェクト」レポート

2007.02.13

昨年よりスタートしている河口湖での住宅設計の打ち合わせのため、最近頻繁に富士山の脇を車で通ります。たまたまでしょうが、ほとんど晴天に恵まれ、真っ青な空に雄大な富士山を見上げながらの仕事通いは気持ちの良いものです。そこで、ふと「大和魂」という言葉が頭に浮かびました。ちょうど赤瀬川源平氏の書籍「大和魂」を読んでいた事もあってでしょうが、いつから日本の象徴なのでしょう。もちろんずっと昔からあったのは確かですが、それが日本人の心、とまで認識されるにはそれなりの文化的な歴史が作用している様に思えます。どちらかと言いますと、私にはその「象徴性」に違和感があり、まるで漫画的にしか思えませんが、「よっ日本一!!」って感じですね。例をあげるとしたら。なぜ違和感があるのか、それを考え出したらきりがありませんが、きっと日本人の根底にある「多信教」「あいまい」という血かと思います。つまり「集中型」ではなく「分散型」の文化。国民一生に一度はメッカを目指して旅をする、って訳にはいかず、つまり西国三十三カ所巡り、四国八十八カ所巡り、という訳です。まぁ、気が向けば途中で止めてもいいし、バスであっという間に一週、ってのもいいね。まさに曖昧です。

続きを読む »

「Super jury Program Winter 07」レポート

2007.01.20

1/19、東海大学秋セメスター総合講評プログラムが開催されました。毎年の事ですが、一般的には上位に上がってくる学生はいつも決まっていて、名前や顔も覚えていますから毎年成長していくのが見れて楽しい一方で、昨年まで優秀だった学生が、今年は発表の機会を与えられず参加していない状況もあるのも確かです。私は1年後期から2年前期を担当していますが、その間というのは、課題に求められるプログラムの比較的単純で、直球勝負で(つまり感性最優先で)勝負が決まりやすく、学生も延び延びと楽しそうにやっており、優秀な学生もほぼfixされている印象があります。ところが、2年の後期から3年になると、いよいよ求められるプログラムや制度上の規制など、直球勝負では解く事が難しい課題が与えられ、いままで上位に上がって来なかった学生が上位に上がってきたりします。どちらも建築を構築するには必要不可欠な才能でしょうが、残念なのは課題が難しくなって行くに従って、設計の授業を履修する学生数も加速度的に減ってきてしまうところです。感性だけでは課題は解けない、と分かったらさっさと設計を投げ出してしまうのでしょうか。

続きを読む »

▲ページトップへ戻る